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2014/11/8 更新してないねぇー ねたはあるんだけどね
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山田うどんにて

山田うどん(激安うどん屋のチェーン店)に食事しに行った。
入ってメニューも見ずに通ぶって「牛丼セット」を注文する俺。

相変わらず人気がない店だ。
店には俺の他に、1組のカップルがいるだけだった。
注文を終え、手持ちぶさただった俺は、そのカップルの観察を始めた。
二人とも食い入るようにメニューを閲覧している模様。
ここで俺は不思議に思った。
彼らのテーブルに灰皿があるが、そこには吸い殻が3本ほど。
このことから、彼ら二人が来店してから15分は経過していると思われる。
そして彼らは言葉を交わす気配がない。

俺はここで、彼らの現在の状況について、いくつかの可能性を考えてみた。

1.何を注文しようか迷っている
2.実は既に食べ終わっており、2食目の注文をしようとしている
3.フランス料理店と間違えて来たのに気付かず、必死にコース料理を探している
4.メニュー暗記対決をしている

ここまで考えた時、俺が注文した牛丼セットが到着したので、さっそく食べることにした。

その時、たまりかねた表情のパートのおばちゃんが、例のカップルの許へ赴き、注文を聞くという行動に出た。

二人はあっさりと注文をした。
「天ぷらうどんふたつ。あとビール」
これは驚愕という他ない。

15分以上もメニューと格闘しておいて、最も安価にしてスタンダードなメニュー「天ぷらうどん(¥250)」を注文するとは何たる強者!

分かった。真相はこうであろう。

二人は入店しすぐに注文を決定したが(入る前から既に決まっていたかも知れぬ)、店員が聞きに来ないので注文できなかったのだ。

一方店員は、
「あの二人はもうずっとメニューを見ている。喋りもせず。よっぽど迷っているに違いない。二人して。こちらとしても注文を聞きに行くべきか行かざるべきか難しいところだ」
などと考えたに違いない。

この時の店員おばちゃん達の話し合いは想像に難くない。
「小林(仮名)さん、私はもう注文決まってると思うわぁ。あの二人」
「あらそうかしら田中(仮名)さん。最近の若い人って優柔不断なのよ。きっとたぬきかきつねかを決めるのに10分と、うどんとそばのどっちにするか決めるのに10分かかるのよ」
「それにしては変よ。目は何だか一点に集中してるし、うどんの事なんか考えてないんじゃないの?」
「だったらさっさと店員呼べばいいじゃない」
「最近の若い人って受け身が多いから、自分達で呼べないんじゃないかしら」
「そういえばあの二人さっきから全然喋ってないわねえ。ひょっとして口が聞けないってことはない?」
「それだったら注文取りに来て欲しそうな顔するとか紙に書くとか
するんじゃないの?」
「うーん…」
「よし、私行くわ」
「大丈夫?田中さん。決まってなかったらどうするの」
「その時はその時よ」
「よーし。じゃあ私はまだ決まってないに¥1000」


まあとにかく、俺は自分が注文した牛丼セットが来たので、二人のことはしばし忘れ、ひたすら食った。

半分ほど食べた頃だろうか。ふと気になってカップルのテーブルを見た。
するとまたも衝撃の事実が!

彼らのテーブルには既に天ぷらうどん×2&ビールが到着している
(もうずいぶん前に来ている筈だ)。
だが男は黙ってタバコをふかし(もう5本目だ)、ビールばっかり飲んでいる。
うどんは未だ盆に乗ったままだ。なぜ食わない!?

女は女で、薬味のネギばっかりちまちまと食っている。やがてネギがなくなると、今度は天ぷらをかじり始めたではないか!
ああ!見る見るうちに天ぷらがなくなっていく!
麺を食え麺を!!

これは一体どういう事だ!?もう自分の食事などどうでも良くなっている。
俺は必死で考えた。

●男の行動について
1.うどんの食べ方を知らないので、彼女の食べ方を見て研究している
2.実は自分が注文したのはビールのみであり、うどんは2つとも彼女が食べる
3.やっぱりきつねにすればよかったと後悔し、改めて注文しようか迷っている
4.実は我慢大会の真っ最中である(飲み物はOK)

まさか1という事はないだろう。可能性としては2か3が高そうだ。

●女の行動について
1.自分は無類のネギ好きだ
2.自分は無類の天ぷら好きだ
3.好きな物は最後にとっておく性格ゆえ、嫌いな具を先に片づけた
4.うどんアレルギーだ

女の行動については可能性が無限にある。お手上げだ。

出来ることなら最後までこの謎の二人を観察したかったが、残念ながら自分が全部食べ終わってしまったため、もう長居できない。
一服したら出なければならない。俺はタバコに火をつけた。

その時である。
俺のたばこ点火が合図であるかのように、二人とも一斉にうどんをすすり始めたではないか!
それはもう凄い勢いだ。一心不乱にうどんを食っている!
なんなんだよもー!!

俺はここでふと考えた。
彼らはまだ若い。18〜22ぐらいの年齢だろうか。
もしやこれは新しいうどんの食い方なのでは?
実は渋谷や原宿では
「天ぷらうどんは注文したのが来てから5分待って、薬味と天ぷらを先に食べる」
のがトレンドなのでは!?

そうに違いあるまい!!
うどんを普通に食う時代は終わったのだ。
これは彼らに感謝せねばなるまい。
注文する際にも、20分ど待ったほうがかっこいいのだろう。
若者の流行に理由などないのだ。冷めてしまうことや客の回転が
悪くなることなどどうでもいいのだ。

俺はそう結論を出し、タバコを消し、心の中で彼らに感謝の辞を述べつつ、山田うどん(激安うどん屋のチェーン店)をあとにしようとした。
そして俺が立ち上がったその時。

食べ終わった女がぼそっと呟いた。

「天ぷら…」

初めて喋った言葉がこれか!
天ぷら!?天ぷらがどうしたというのだ!?
しかし男は相変わらず何も言わないし、女もそれっきりだ。
ああ。その言葉の真意を確かめたい。だが俺は既に会計を済ませ、あとは店を出るだけだ。また席に戻るのは不自然だ。出るしかない。
だが気になる。あと1分長く居られたら真相が分かったかもしれぬ。

謎はいくつも残る。まとめるとこうだ。

・なぜ注文に15分以上も要したのか。
・なぜ注文の品が到着してもすぐに食べなかったのか。
・なぜ麺を残して具を先に食べてしまったのか。
(この3つについては私が結論を出しているが、あくまで推測にすぎない)

・なぜ彼らは喋らなかったのか。
(喧嘩している可能性は高いが、そうすると最後の「天ぷら…」が意味深)

・なぜ若いカップルなのに山田うどんに入店したのか。
100mほど先にはデニーズ及びガストがあるのだ

この事を考えると、今夜は眠れそうにない。だがこれを書いてるうちにもう夜が明けたので、ぐっすり眠ることが出来るだろう。
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