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2014/11/8 更新してないねぇー ねたはあるんだけどね
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めくるめく
「それでは始めるとしよう。心の準備はいいかね。ヘイスティングズ君」
「はい。お願いします。先生」
「よし。・・・つまんだ」
「ああっ。先生の親指と人差し指がっ」
「つまんでいるぞ。確かに私は今、紙の端っこを指でつまんでいる」
「先生っ。どうか紙で指を切らないでください。折り目をつけないでください。あせっていはいけません」
「わかっているとも。ではいよいよめくるぞ」
「ついにめくってしまうのですね。めくられてしまうのですね」
「そうだヘイスティングズ君。我々は今、紙をめくろうとしているのだ」
「もう平常心ではいられません。先生、お気を確かに」
「私は大丈夫だが、君は少し落ち着いたほうがいいだろう。深呼吸をしたまえ」
「は・・・はい。・・・ふう。落ち着きました」
「では、もういいかね。私は早くめくりたいのだが」
「申し訳ありません。取り乱してしまいました。お恥ずかしい」
「私は待ちくたびれてしまったよ。君が深呼吸している間も、私は指で紙をつまみ続けていたのだから」
「もう大丈夫です。先生、お願いします」
「ではめくろう。いくぞ」
「ああっ。先生の親指と人差し指がっ。紙をつまんでいる二本の指がっ」
「実に感慨深い。我々は、今まさに紙をめくっているのだな」
「めくっています。めくっていますとも」
「今日は記念すべき日だ。私は自分の指で、この紙をつまんでめくっているのだ」
「た、大変です。先生」
「何事かね。ヘイスティングズ君」
「私は、どちらを見るべきなのでしょう。めくられた紙の裏側か、めくられた紙の下にあるものか」
「好きなほうを見ればよろしい。だが、私の心は既に決まっている」
「先生のお気持ちを教えていただけますか」
「無論、紙の裏側だよ。ヘイスティングズ君。我々が紙をめくるのは、他ならぬ裏側を見る為なのだからね」
「そうでした。さすが先生、こんな時でも落ち着いていられるのですね」
「そうだ。私はいかなる場合でも常に冷静なのだ」
「では、裏側を見ることに専念します。先生、続けてください」
「よかろう。そろそろ裏側が見える頃だ」
「裏側。裏側ぁっ。はあはあ」
「一気に裏返すぞ。よく見ていなさい」
「ええっ。めくるだけでなく、裏返してしまうのですか。先生っ」
「大丈夫だ。安心しなさい。私は失敗しない」
「あああっ。裏返されてゆくっ。紙が。紙がつままれてめくられて裏返されてゆくぅ」
「ヘイスティングズ君。ヘイスティングズ君」
「・・・はっ。先生」
「終わったよ。ヘイスティングズ君」
「私は・・・、気を失っていたのでしょうか」
「どうやらそのようだ。君が失神している間に、紙はすっかり裏返ってしまったよ」
「本当だ。紙が・・・裏返って・・・」
「どうかねヘイスティングズ君。すっかり裏返ってしまった紙を見る気分は」
「いやあ、私としたことが。裏返る瞬間を見そびれてしまいました」
「ヘイスティングズ君。君に重要なことを教えよう」
「はい。なんでしょうか。先生」
「つまみ、めくり、裏返す瞬間が大事なのではないよ。事の本質は、紙の裏側にあるものだ」
「ありがとうございます。先生。さすが私の先生」
「なに。私にかかれば、紙をつまんでめくり、裏返すことなど造作もない事だよ」
comments(1)
Eh? It’s in the blue update box. However, thanks for pointing out again anyway!
| ray bans black friday | 2014/11/24 12:20 PM |










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