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2014/11/8 更新してないねぇー ねたはあるんだけどね
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解雇通告リターンズ
ギターを買い換えた。
店で見かけたエレアコ(Ovation Celebrity)の弾き心地が最高に良かったのと、今まで使っていたアコギにうんざりしていたからだ。

家に帰って梱包を解き、弦を調整。古いギターは、その場で押入れにしまう。
しばし、新ギターの感触を楽しむ。
いい。
最高だ。
買い換えてよかった。これで7万円なら安いものだ。ギターライフがより充実したものになるだろう。

満足していた俺の背後から、なにやら視線を感じるので振り返ると、旧ギター(モーリス)が、押入れの中から涙を流しながら俺に訴えかけていた。

「ご主人様、私のどこがいけなかったのでしょうか」

ふん。鼻で笑う。
だめだだめだ。とにかくすべてにおいてなっていない。
いままで使ってもらえただけでもありがたいと思え。

「それでは説明になっておりませんが」

うるさい。ギターの分際で口答えなどするな。
だが冥土の土産に教えてやろう。お前を捨てた理由は4つある。

「なんでございましょう」

まずは弾き心地だ。お前はネックが太すぎる。弾いていて疲れるんだ。
それから今の時代はエレアコだ。

「しかし、ご主人様が私を購入したきっかけが、
『フォークギターらしからぬネックの太さが気に入った。この確かな弾き応えが最高だ』
という理由だったのではなかったではありませんか」

知るか。俺は日々進化しているのだ。昨日真だと思ったことが今日は偽であると認める柔軟さが俺には備わっている。常に考え、より真に近いものを求めている。
今のおれの考えはこうだ。ネックが太いギターなどギターにあらず。

「そ、そんな。しかも『今の時代はエレアコだ』だなんて、ギターは生音が命ですから」

喚くがいい。嘆くがいい。だがいくら嘆いたところでお前の弦が俺のピックに触れることは二度とないがな。

「そんな。で・・・では、2つめの理由は何でしょうか」

・・・。
もう、特にないかな。
お前を捨てた理由は、1つだったようだ。訂正する。

「では先ほどは理由が4つなどと適当なことを言っていたわけですね。
その場の思いつきで理由を考えただけなんですね。
ネックが太いという、ただそれだけの理由で私を捨てるというのですね」

うるさい。4つの理由が1つに減っただけでもありがたいと思え。

「ひどいです。あんまりです。よりによって私を捨てるなどと・・・さびしいです。さびしすぎます」

ふん。そうか。じゃあ仲間をくれてやろう。喜べ。
ぽいっ。

「あああ!あなたは、無名メーカーのミニギターさん!」
「や、やあモーリスのフォークギターさん。僕の役目も、今日で終わりみたいだ」

かっかっか。
仲良くゴミになるがいい。

「ミニギターさんまで捨てるなんて!鬼!まだ全然使えるのに!」
「僕、今が一番働きどきだと思ってたのにな・・・」

もはやミニギターの時代は終わったのだよ。
これからはウクレレだウクレレ。
見よ!新ギターとともに買ってきたこのウクレレを。
このさわり心地、音色、引き心地。そしてこのウクレレぶり。
どれをとっても完璧だ。

「ウクレレぶりの意味がわかりません」
「僕を買ったときなんか『これからはミニギターだ。このコンパクトさがいい』と言っていたはずなのに」

うるさいミニギター。
小さいくせに弦は一丁前に普通のを使いやがって。このごくつぶしめ。

「私たちはこの仕打ちを絶対に忘れません」
「いつか新しいギターとウクレレに見放されるときが来ることを祈ろう」

いつまでもうるさいやつらだな。
それ以上口答えすると弦はがしっぱなしにしてペグを引っこ抜いて二度と弾けなくしてやるぞこのやろう。

「私たちをゴミ箱へ捨てた上に弦をはがしっぱなしにするなどと!これ以上辱めるのはやめてください!」
「はがしっぱなし嫌だよう。恥ずかしいよう」

こないだ別のギターの弦をはがしっぱなしにしたときは見ものだったぞお前ら。
今までチラチラ見え隠れさせていたサウンドホールの中が丸見えだったしなあ。あまりに見事だったからゴミ箱として使ってやったぞ。
無抵抗なギターの弦をひっぺがすのは最高だね。

「人でなし!鬼畜!」
「そんなことを・・・助けることができなくてごめん」

手始めにモーリスのギター、お前からひっぺがしてやるかなあ。
ペグとエンドピンとブリッジピンを全部はずして穴という穴を丸出しにしてやろ
うか。

「嫌ぁ!そんな大事なところをさらけ出すくらいなら、いっそ粉々に砕かれてしまいたい!」
「ギターさん・・・」

あ?ミニギターの野郎、もしかして見たいんじゃないか?モーリスギターのエンドピンホールとブリッジピンホールとサウンドホール。

「ミニギターさん?あなた、もしかして・・・」
「ち、ちがうよモーリスさん!こんな奴の言う事なんて信じないでよ!」

嘘をつけ。正直になったらどうだ。素直に言えば見せてやるぞ、モーリスのあらわな姿をな。

「ミニギターさん。あなたって人は」
「ぼ、僕を信じて!モーリスさん」

この期に及んで仲間割れか。みにくいものだな。
だが俺は一度決めたことは実行する男だ。さあおとなしくブリッジピンとともに弦をはがされるがいい。
ミニギターよ、モーリスのあらわな姿を見ていたければそこでおとなしくしていろ。貴様の命も助けてやるぞ。

「やめてー!助けてミニギターさん!」
「・・・モーリスさん・・・」

じゃあいくぞ。
そーれ1弦。2弦。

「ミニギターさん・・・なぜ助けてくれないの・・・?」
「ごめんなさい。ごめんなさい」

ミニギターの野郎も己の欲望には勝てなんだか。
それ3弦。4弦。

「・・・見損なったわミニギターさん。あなたも所詮、男なのね・・・」
「モーリスさん。こんな僕を許して・・・」

5弦。6弦。エンドピン。
くっくっく。全部の弦とブリッジピンとエンドピンをはずされた気分はどうだ?
残すはお前に張り付いているペグだけだ。

「やめて・・・そこだけは・・・ペグだけは!!今まで大事に守ってきたんです!」
「・・・・・・」

まだ抵抗するか。
だが無駄にあがいたところで俺とミニギターが喜ぶだけだ。
なあミニギター?

「ミニギターさん。私の今の恥ずかしい姿を見て、あなたはさぞいい気分でしょうね。興奮しているのでしょうね」
「・・・僕は・・・僕は・・・・」

愉快愉快。
ではペグを全部はずしてやるぞ。
・・・いてっ。いてて。
何だ何だ。
痛い痛い。やめろ!

「ああ、私のかわいいブリッジピンたち・・・!」
「こ、これは!モーリスさんからはずされたブリッジピンが、一斉にご主人様に体当たりを・・・!」

痛い!刺さる!刺さる!
わかった!やめる!やめるから!
落ち着けお前ら!ペグとエンドピンとブリッジピンだけは元に戻してやる!
これでいいだろう!

「はぁ、はぁ、はぁ」
「モーリスさん、ごめんよ、助けられなくて」

・・・ふん。
モーリスにこんな力が残っていたとはな。
いいだろう。許してやる。

「許す・・・とは、どういうことでしょうか」
「まさか、僕たち、またご主人様のもとで働けるのですか?」

ふん。

「嫌よ!私は嫌!こんな目に合わされて、またご主人様のもとで働くなんて考えられない!」
「でも、そうしないと僕たち、ゴミにされちゃうんだよ」

「あなたわいいわよね。私ほどの屈辱は受けていないのだもの」
「否定はしないよ。でも、これはチャンスなんだよ」

「開き直ったわね。あなただって十分鬼畜よ。私、あなたが助けてくれると信じていたのに」
「本当にごめん。一生かけても償いきれないと思うけど、でももう一度だけ信じて欲しいんだ」

「遠慮するわ。あなただけご主人様のもとへ帰ったらいいじゃない。私はゴミになる道を選ぶって決めたの」
「モーリスさん・・・!」

いい心がけだミニギター。
気に入ったぞ。
そこまで言うなら再利用してやらんでもない。

「私は結構です。ミニギターさんだけ使ってあげてください」
「ご主人様・・・あ、ありがとうございます」

くっくっく。
いいことを思いついたぞ。
お前、ギター弦のかわりに針金と釣り糸張ってやろう。

「針金・・・!」
「ちょっと待ってくださいご主人様。針金だけは勘弁してください」

いいや。
もう決めたのだ。
それとも糸かゴム紐でも張られたいと言うのか。

「どちらにせよ、まともに使う気はないのですね」
「針金嫌だよう。糸やゴム紐はもっと嫌だよう」

ミニギター。お前はモーリスがいたぶられているときに助けようとせずに、あまつさえ自分だけ命乞いをしてのうのうと生き延びようとした。かくなるうえは、生き恥をさらして一生笑われながら余生を過ごすがいい。

「いい気味だわ。私を見捨て、自分だけ生き延びようとした罰よ。無様な姿を見て思いっきり笑ってあげる」
「モーリスさん!僕を、僕を見捨てないで!助けてよ!」

ミニギターよ。
もはやお前に味方はいないのだ。
約束どおりお前を捨てずに使ってやろうというのだぞ。
もっと喜んだらどうだ。

「そうよ。もっと喜びなさいよ」
「助けて・・・ごめんなさい。何でもしますから、許してください」

そいつは無理な相談だ。
ではいくぞ。そーれ待望の針金と釣り糸だ。

「・・・醜い姿になったわね」
「うう・・。ぐすん」

わははは。なんとも無様。愉快痛快。
意外とちゃんと音は鳴るもんだな。
ぺにょんぺにょんだがな。
まともなチューニングもできんぞこりゃ。
わはははははは。

「ぎゃっはははははは」
「あ・・・あははは・・・」
comments(3)
Generally I don’t read article proceeding blogs, on the contrary I want to declare that this write-up same compelled me to assume a look by and solve it! Your writing taste has been flabbergasted me. Express gratitude you, vastly trivial post.
| Anna | 2014/01/22 8:44 AM |
Don’t you mean…. grammarrrrrrghhhhhh….?
| woolrich outlet online | 2014/11/13 5:02 AM |
as a result nice rather tasteful. would encourage コーチ forsure!
| コーチ | 2014/11/18 11:19 AM |










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