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2014/11/8 更新してないねぇー ねたはあるんだけどね
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マンション買いました。気前よくポーンと一括で借金して。


引っ越し前の物件は、閑静な住宅地に建ついい条件の部屋だったのですが、いつの頃からか、周辺の環境がおかしくなってしまいました。引っ越しを決意したのは、主に以下の2点の理由によるものです。

ひとつめは、目の前に新聞屋の拠点があることです。
毎晩2時ごろから5時ごろにかけて、配達のバイクがうるさいのはもちろんのことですが、その拠点に新聞折り込みの広告を運んでくるトラック(広告ごとに1台ずつ、夜8時ごろから12時ごろまでひっきりなしですよ奥さん!)が、やかましいことやかましいこと。
おかげで、眠れない日々が続きます。

あまりに眠れないと、体調も悪くなってきます。寝不足解消のために、仕事を休んで1日寝ていようと思って布団に入ることがあります。
しかし、ここでふたつめの障害が立ちはだかります。
それは、幼稚園です。最悪なことに、すぐ隣の建物の1階部分に幼稚園が丸ごと入っているため、昼間騒がしいったらありゃしないのです。(私の部屋は2階)
昼間は幼稚園のかわいい子どもたちの屈託のないはしゃぎ声や、そんな思い思いに好きな事をして遊びまわるかわいい子どもたちをまとめるせんせいの大きな声、さらには遊びの時間が終わると、ピアノの音に合わせてみんなでおうたをうたったり(子どもって、出せる限りの最大音量で歌いやがりますからね)。それらの騒音が、2時頃のおひるねの時間を除いて陽が沈むまで続きます。尚、実際一番うるさいのは、朝夕の送り迎えにくる母親と先生の世間話です。ウチのマンションの住人は、毎日彼女らの世間話を聞かされまくっているわけです。

以上のことから、私は常に騒音に包まれて暮らしていたといっても過言ではないでしょう。
騒音だけならまだしも、上階にあのMr.レッドマンが居を構えているとなれば、とても落ち着いて暮らせたものではありません。


このままではノイローゼになってしまう。別の賃貸マンションに引っ越さなければおかしくなってしまう。
そう考えた私は、嫁T氏に引っ越しの相談を持ちかけます。
このときは、分譲マンションを購入することになろうとは夢にも思っていませんでした。

・・・2007年11月初旬の夕食後。嫁T氏は、案の定、首から下が全部こたつに入っておられ、座布団を二枚重ねて枕にしておられたうえ、チョコレート菓子をつまみながらバラエティ番組を御鑑賞あそばされておいででした。
ご機嫌を損ねぬよう、注意しつつ声をかけます。

「総司令官殿」
「………」
「総司令官殿」
「………。わははは。ルー最高。後の祭りを後のフェスティバルって。大柴面白すぎ」
「総司令官殿。総司令官殿」
「………………。なに」

やはりというか、嫁T氏はこちらを振り返ることなく、テレビを見てゲラゲラ笑いながら心底面倒臭そう(かなりの高等技術です)に返事をします。

「総司令官殿、引っ越しの相談をさせていただきたい」
「えー。なんでよ」
「言うまでも無く、この場所においては、幼稚園及び新聞屋による騒音爆撃の最前線にさらされている。また、レッドマンの後方撹乱による士気低下が著しく、これ以上居を構え続けることは困難を極める。現在の状況を打破すべく、可及的速やかに対処すべきと判断したものである」
「えー。めんどくさ」
「もはや限界である。総司令官殿には、どうか名誉ある撤退を御決断頂きたい」
「えー。じゃあどうすんのよこれから」
「駅前の不動産をあたり、別の賃」
「ちょっと待って。どーでもいーけど、なにその偉そうな喋りかた」

ようやくここで、嫁T氏は私のほうを振り向いてくれました。おそらく、CMが流れはじめたからでしょう。

「はっ。大変失礼致しました。駅前の不動産をあたり、別の賃貸を契約するがよろしいかと小官は愚考致しますれば、総司令官殿に採決の程を賜りたく参上した次第にございます」
「いいんじゃない?確かにここはもううんざり。うるさいし狭いし、耐えられない」
「そうでございましょう」
「次もまた賃貸にするつもり?」
「はっ。御意にございます」
「・・・また2DK?」
「ははっ。おそれながら」
「えー。やだ。もう2DKとかマジ狭い」
「閣下、どうかご理解をお願」
「そうだマンションはどう?私マンションがいい。マンションにしよう。マンションに決めた。私天才。じゃあマンション買うってことで」
見事なマンションの五段活用です。しかし、これは恐れていた事態です。由々しき事態とはこういうことを言うのです。
マンションなど購入してしまったが最後、数千万の借金を返済すべく、今後何十年もの間、ローンを払い続けなければなりません。部屋そのものの値段以外に購入時の登記手続きにかかる費用や、購入後は維持費も税金もかなりの金額になります。それに、土地付き一戸建てとは違い、ローンを払い終える頃には資産価値などなくなってしまうでしょう。何も残るものはないのです。賃貸なら、かかる費用は敷金礼金を除けば家賃のみ。お金が無くなれば最悪実家に転がり込むことも出来ます。

しかし、その事を説明して理解してくれる嫁ではありません。
『賃貸はお金をドブに捨てるようなもの。どうせ毎月同じくらいのお金を払うなら、マンション買え』という、女の得意文句が出てしまえば、なすすべはありません。
私は必死の抵抗を試みます。

「閣下、申し上げます。現在の我々が置かれた状況を鑑み、別の場所において再び同一条件にて賃貸の契約するがよろしいかと存じます」
「意味わかんない。日本語しゃべってくれる?」
「では失礼ながら。コホン。えー、今住んでいるこの場所も、元々はといえば、それはそれは静かで暮らしやすい、よい環境だったものですが、入居から数年が経ち、現在は新聞屋や幼稚園による騒音に代表されるように、劣悪な環境へと様変わりしてしまいました。さて、ここで一発奮起して、運よく静かで見晴らしの良い場所に建つ新築マンションを購入することができたとして、そこへ引っ越したとしましょう。当然何十年と住み続けていくわけですが、しかしながら、物件の周辺環境が何十年も同じままということはありますまい。今回のような新聞屋などの騒音源が発生したり、より高い建築物が出来てしまって見晴らしが悪くなってしまうなど、住み心地の悪い状況に置かれてしまう可能性が低くはないということです。賃貸と違い、そうやすやすと引っ越しをするわけにはいかなのはおわかりかと思います。そのようなことになっても再び対処できるよう、マンションではなく、また同じような条件の賃貸にしておけば、そこからまた新たな安息の地を求めて引っ越しをすることがかないましょう。ですから、閣下におかれましては、どうかご理解を賜りますようお願い申しあげる次第にございます」
「意味わかんない。私さっきマンションに決めたって言ったでしょ?ガキの騒ぎ声やオバチャンの世間話やカブの音は良く聞こえて煩い煩いって言うくせに、私の言ったことは聞こえなかったとでも言うの?早くマンション探しなさいよ。やだマンションに引っ越したら家具買い替えまくらなきゃ。超楽しみ」

やはり、もうすでにマンション購入は決定事項です。しかし、働いて収入を得ているのは私だけ。一人分の収入では正直厳しいのです。

「非礼を承知で申し上げます。小官のみの年収では、マンションを購入できるほどの余裕はなく、また貯蓄に至っては、先」
「大丈夫。最近のマンションは頭金0円で買えるんだって。ていうか今だって毎月何万も払ってんじゃん。それドブに捨ててるようなもんでしょ。どうせ払うんならマンションのほうがいいに決まってんじゃん」

もはや私は最後まで喋ることすらも許されないようです。それにしても、ついに言われてしまいました。どうやら、嫁の論法では、お金などまったく問題ではないということがわかりました。広くて住み心地の良い部屋に住みたい、という素直な欲求ただ1点なのです。
私の頬には、涙すら流れています。もちろん、嫁がその事に気付いてくれるわけがありません。

「閣下。あえて申し上げます。何も今のタイミングでなくとも、行動には機会というものがございます。なにとぞ思いとどまっていただき、今回は賃」
「あ。CM終わった。私ルーさん見るから、マンションさがしといて」
「閣下。申し上げま」
「もう賃貸って言葉使ったら離婚ね離婚」
「閣下………」
「ぎゃははは。泣きっ面にビーって。ルー語超素敵すぎ。アイラブ大柴」

嫁の決定に逆らうことはできませんでした。

後日、嫁と一緒に、歩いて買い物に出かけ、その帰りになんとなく駅前のモデルルームに立ち寄ってみました。
すると、そのモデルルームが一瞬で嫁のお気に召したようで、ここ!ここのマンションがいい!このマンションに住みたい!いや住む!ここにしないと離婚だわ離婚などとマンション住みたいの五段活用を言い出すので、他のモデルルームを見に行くこともなく、その場で契約書にサインをしました。
私が出せる限界だと思っていた金額を、700万ほどオーバーしていますが、もはや恐るに足りません。嫁の購買意欲は凄まじく、法外な保釈金の支払い手続きをしている政治犯のような心境でした。サインしなければ、このモデルルームから保釈してくれない勢いだったのです。

ところで、マンションの買い方なんてよくわからなかったので、モデルルームを指さして、営業の人に
「これくだい」
と言ったわけですが、なぜか営業の人は、固まっています。私が何を言ったのか理解していない様子です。

「これください」
「・・・は?」
「これください」
「は・・・はいはい。このお部屋ですね?」
「そうです」
「これは私が今まで担当した中でも最高の物件です!」
「そうですか」
「人気のあるマンションですよ!このモデルルームにいらした皆様のうち3組に1組は、ご契約をいただいています!通常のマンションであれば、10組に1組の契約であれば売れているほうなんですよ!」
「そうですか」
「なにしろこの価格で4LDKです!これほどお買い得な物件、日本中捜してもまずありません!」
「そうですか」
「これがラストチャンスです!明日にでも全部屋埋まってしまうかもしれません!あなた方は運がいいですよ!」
「そうですか」
「いかがでしょうか?何度も言いますが、この物件、おすすめです」
「何度も言いますが、ください」
「もし気に入られたのでしたら、仮契約ということでこちらの書類にサインをいただきたいのです。そうしないと、すぐ他のお客様に購入されてしまいますので」
「仮じゃなくてもいいんですが」
「・・・」
「これ、ください」
「は・・・はい、ありがとうございます!」

これください、と言ってスムーズに買い物ができなかったなんて初めての経験です。不動産の営業はもっと駄菓子屋を見習ったほうがいいと思います。
結局、一通り営業の話を聞かされてしまいました。
なぜ、すぐに毎度ありがとうございますと言って部屋の鍵をくれないのでしょうか。

しかも、仮契約をしないと本当の契約ができないという話です。
ここで権利書や契約書などがもらえれば、それを買い物袋に入れて家に帰ることができて楽だったのに。
仕方がないので、仮契約。不動産は面倒です。

結果的に、あっさりと(実際は本契約や借金の審査、手続きなどいろいろあったのですが)、自分でも予期していなかったマンション暮らしがスタートしたわけです。新聞屋のカブやトラックの音も、幼稚園児や先生や奥様方のわめき声も、無縁でいられる生活です。

陽当たり抜群のリビング、広いバルコニー、そしてなにより、自分のプライベートな部屋が持てたこと。2DKの賃貸時代では考えられないことです。ただ残念なのは、PCのある自分の部屋には暖房器具がなく、冬の間は5分もいると凍死しそうになることです。PCを起動する機会が激減しました。せっかくの自分の部屋ですが、あまり立ち入る事がありません。

休日も、掃除などの手伝いをしないと、この広い部屋が一日で片付きません。お小遣いが減るのは覚悟していましたが(本当に雀の涙になってしまいました)、なんだか自分の時間も、だいぶ減ってしまったように感じます。

けれど、それは嫁と一緒にいる時間が増えたということを意味します。相変わらずこたつに入ってお菓子を食べながらテレビを観ている嫁ですが、「なんか一人でリビングにいると広すぎて怖い」らしく、一緒にテレビ観賞に付き合わされます。私はテレビは嫌いですし、できればPCを起動していろいろやりたいことがあるのですけど、どんな形であれ、嫁に必要とされているということは幸せなことだと思うべきなのでしょう。

それに、そのおかげで、とても規則正しい生活になりました。以前のようにPCでゲームやネットを楽しんでいると、寝る時間が夜1時2時になってしまうのは当たり前だったのですが、引っ越してからは12時前には就寝です。

そんなこんなで、生活レベルが少し上がったものの、莫大な借金を返済していくため、これから仕事もより一層頑張っていかなければと思うわけですが、はたして、自分の人生って、誰によって決められるものなのでしょうかね。
comments(2)
広いところに住みたいと言って、広すぎて怖いって矛盾してるのでは?

とりあえず、女って怖い生き物ですな。
| yk | 2008/03/03 6:44 PM |
刻一刻と自分の考えを改めることができる、柔軟な人のようですね
ykさんもぜひ気をつけてね
| 類二 | 2008/03/09 12:52 AM |










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