<< August 2017 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>
PROFILE
↑メールなどはこちら

<近況>
2014/11/8 更新してないねぇー ねたはあるんだけどね
SELECTED ENTRIES
ARCHIVES
RECENT COMMENTS
LINKS
<< トゲゾーについて考える | main | ハサミ男にはさまれた。 >>
理想と現実とレシート
人と人の心と心が通じ合う、
言葉を交わさずして意思の疎通が図れる、
そんな素敵な事ってあるのでしょうか。

そんなこと、流行りの歌やテレビドラマだけに存在するものだと、
現実には単なる理想、幻想、あるいは勘違いや思い込みの類であって、
それはたとえ何十年も連れ添った仲睦まじき夫婦であっても、
苦楽をともにしてきた何十年来の友人であっても、
ありえないこととしか思えてなりません。

虫が良すぎると思うのです。
「私は絶対、彼と心が通じ合っている」
「アイツの目を見ただけで、アイツが何を考えているのかわかる」
などと言っている人。
そんな人に限って、
アイツは考えることが単純だから、と見くだしていたり、
あの人の本心は知りたいけれど、自分の本心は絶対に知られたくない、
などと思っていたりするものです。

仲が良くたってそうなのですから、
いえ、仲が良いから尚更、そうなのかもしれませんが、
とにかく、人と通じ合うなどということは、通常の人間関係では
発生し得ないものであるといえる、と、そう考えます。

そもそも、通じ合いたいのですか?
通じ合うことに意味はあるのですか?
それによって発生するメリット、デメリットは考えていますか?
冒頭の問いかけに矛盾しますが、
人と人の心と心が通じ合うことが素敵な事だと、
誰が決めたのでしょう。

相手が何を思い、考え、行動しているのか。
それがわからないからこそ、コミュニケーションというものが
成立するのだし、わかってしまったら、その人間関係はその場で
破綻してしまうでしょう。
そもそも、相手の考えがわかるということは、
すなわち自分の考えていることが、相手にそのまま伝わってしまう
ということでもあるのですから。考えてみなくてもわかります。

だから最近の歌やドラマが大嫌いです。自分たちが信じてもいない
まがいものの思想や理想を押し付け、いいことをした気分になっている人たちが
大嫌いです。

もちろん、もっとも問題なのは、
そういった押し付けを無条件で受け入れ、無思考で信仰してしまう
一般大衆なのですが・・・。

さて、昨日までのLは、そう考えていました。
しかし、今日からのLは、違います。

人は言葉を交わさなくても、
相手の気持ちがわかる。
自分の気持ちを相手に伝えることができる。
気持ちをひとつにすることができる。

その日の朝の出来事が、Lの考えを大きく変えたのです。

Lはプログラマです。
プログラマといっても、彼はチームリーダであり、ソースコードよりも
設計書や仕様書を書いている時間のほうが長く、少々物足りない日々を
送っているのですが・・・、
あまり関係ない話なので割愛しましょう。

毎朝、彼はかならずコンビニに寄り、その日の昼食やガム、飲み物などを
買います。
その日、たまたま、なんとなく、上記のメニューに加えて
チョコレートを手に取りました。
そしてレジへ。
レジを打つのは、毎朝決まったパートのおばちゃんです。
もはや顔なじみですが、おばちゃんはいつも機嫌悪そうに黙々と仕事を
こなす人です。レジで必要な以外の会話を交わしたことはありません。
そのおばちゃんが、すべての商品をバーコードに読み込ませます。
するとどうでしょう――――――――――

「ちょ、ちょうど1000円になります」


ちょうど1000円!

空は朝からどんよりと曇り、風は冷たく、
おまけにLは低血圧で、その上今朝は寝坊して朝食も取っていませんでした。
そんな、ここ最近笑顔のなかった彼の口元が、僅かに歪みました。
ちょうど1000円。なんてすばらしい響きなのでしょう。こんな事はめったに
お目にかかれるものではありません。
1000円札一枚で多すぎず、足りないこともない、
ぴったりの買い物ができたわけです。
まさに奇跡。いえ、神の気まぐれか、それともご褒美?
ほんとうは、もっと喜びを表現したい。大きくこぶしを握り締め、天に向かって
突き上げたい。記念撮影をしたい。
この場に妻か友人か、会社の同僚でもいれば、この奇跡を共有し、分かち合い、
ともに今日一日、とてもハッピーな気分でいられたのに。
それを思うと、少し残念なLでした。

でも、嬉しいことに変わりはありません。
この後会社に行ったら、今の出来事を同僚のあいつに話そう。
家に帰ったら、妻にこの証拠のレシートを見せよう。
そう考えていた彼なのですが、
ふとレジを担当していたパートのおばちゃんを見たところ、

Lに向かって目配せして、小さくガッツポーズしているではありませんか。

その瞬間、Lの脳内に、そのパートのおばちゃんの思考が
流れ込んできました。

「やったわねアンタ。私ゃこのコンビ二で2年ほどレジ打ってきたけど、
1000円ピッタシってのはアンタが初めてだよ。777円とかってのは何度かあるけどね。
それにしても、あんまりびっくりしたから、ちょっと噛んじゃったじゃないか。
何気なくサラッと『ちょうど1000円です』って言いたかったのにさ。
私ゃ無愛想だからコンビニの仕事なんてやりたくなかったけど、やってみるもんだねえ。
おかげでいいもん見せてもらったよ。さっさと子ども学校に行かせて、
毎朝この時間にシフト入れ続けてきてほんとうに良かったとおもうんだ」

実際に声が聞こえたわけではありません。彼女の表情が、そう言っているのです。
Lにはわかるのです。
Lはすかさず、おばちゃんに目配せしてメッセージを送り返しました。
もはやテレパシー、以心伝心状態です。

「おばちゃん。俺、おばちゃんの名前知らないけどさ、毎朝俺のために
レジ打ってくれてありがとう。感謝してる。・・・ほら、面と向かってこういう
こと、なかなかいえないだろ?でもテレパシーでなら何でもいえる気がするよ。
今はとても素直に喜べるし、この気持ちをおばちゃんと分かり合えて、最高に
幸せな気分だよ」

「何言ってんだい。いまさらそんなこというんじゃないよ。照れくさいじゃない
か。ほんとうは私もね、アンタと手と取ってはしゃぎまわりたい気分さ。でもあ
いにく仕事中。できることならおにぎりのひとつでもサービスしてやりたいけど
ね、それもかなわないね。そうだアンタ、このレシートをコピー取っときなよ。
一生の記念になるよ」

「おばちゃん。俺ももう大人だよ。この1000円のレシート、
たしかにうれしいけどさ、コンビニでこんなものコピーしてたらおかしいよ。
・・・でも安心してくれ。コピーは会社で取る。
一介の客ごときに、気遣ってくれてありがとう」

「そうかい。会社なら取り放題だね。さあさ、祭りは終わりだ。私は仕事中。
アンタはこれから仕事に行かなきゃならない。今日は朝からいい体験をしたよ。
今日一日、がんばって仕事しなさいな」

「ああ。おばちゃんも体に気をつけてくれ。無理するなよ。
じゃあ、また明日からもレジ、頼む」

そうテレパシーを送りながら、Lは1000円のレシートを、大事に財布に入れました。

「お次のお客様、どうぞ」
というおばちゃんの声が聞こえます。
レジが終われば、もはやLは客ではありません。
彼は追い出されるようにコンビニを出ました。
おばちゃんとの別れに、少しだけさびしい気持ちになりながらも、Lの心は
いつのまにか晴れ晴れとしていました。
1000円のレシート一枚に、こんな効果があるなんて。
見上げれば、外はまだ曇り空ですが、なぜか今日は晴れる気がしてきた、
Lでした。
comments(6)
奇跡体験アンビ類バボー
| スネ夫 | 2006/10/31 2:04 AM |
私が ルイージ です(デスノート風に)
| 最上川逆流 | 2006/10/31 3:22 AM |
ちょうど千円・・・
5回くらいある(空気を読まない発言)
| ななか | 2006/11/01 6:21 AM |
毎度コメントありがとうございます
励みになります
どんぶり助かります

>スネ夫
ええ、あれはまさに奇跡でしたわ
あのレシート、見せてあげたかったでスネ

>もがみん
超ごめんなさい
どういうわけかデスノート知らんのです

>ななか
嫉妬羨望尊敬の的です 1000円レシートの神と呼ばせてくださいませ
まあ空気読まずに言うと、俺も5回ぐらいあるのでした
| 類二 | 2006/11/02 1:07 AM |
I really wanted to write down a brief message in order to thank you for the superb suggestions you are writing on this site. My time consuming internet lookup has now been rewarded with brilliant insight to share with my classmates and friends. I ‘d claim that many of us website visitors actually are extremely lucky to dwell in a notable place with so many marvellous professionals with good ideas. I feel extremely lucky to have used the website and look forward to plenty of more brilliant moments reading here. Thank you again for a lot of things.
| Bella | 2014/01/23 1:23 AM |
I like the Easy Fill Tire Alert. Why didn’t anyone think of this before!
| cheap ray bans cybermonday | 2014/11/24 12:14 PM |










このページの先頭へ