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2014/11/8 更新してないねぇー ねたはあるんだけどね
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春は各駅停車に乗せられて
太陽の眩しさで、目がさめた。

珍しく寝坊。
もう大学は講義が始まる時間。

夜中に前髪切ったりするもんじゃないな。
結局切りすぎて失敗しちゃったし、今日は大学休もう。

ワンルームの、狭いけど大好きなベランダに出てみた。
今日はとても暖かい。
春はすぐそこだ。
2回、深呼吸。

顔を洗おうかと思ったけど、
さっぱりしたくて、お風呂に入ることにした。

朝のお風呂が気持ちよかった。

トーストを焼いて、コーヒーを淹れる。
ふと、あの曲が聴きたくなった。

物置と化している押入れの奥から、
CDを捜し出した。

ずっと使っていないラジカセの、埃も払わずに
電源を入れる。

原田知世の『ロマンス』が流れる。
姉が好きだったから、自分もよくこの曲を聴いていた。
このCDも、姉のもの。
いつか返さないと・・・。

時計を見ると、10:30。

トーストは、半分だけ食べた。

CDが、『ロマンス』の演奏を終え、
静かな部屋に戻った。

コーヒーに、口をつけようとした瞬間。
突然、思った。



恋がしたいな・・・。



今年は、まだ春物を買っていない。
仕方がないから、去年お気に入りだった服。
履きなれたジーンズと迷ったけど、たまには
スカートにしてみよう。
この陽気なら、ハーフコートも要らない。

久しぶりに、あの場所に行こう。
私だけの秘密の景色が見られる、私の場所。
なるべく邪魔されたくないから、
携帯電話も置いていこう。

そう決めてしまうと、
駅まで自転車で走る道のりも、いつもと
まったく違う道に見えてくるから不思議。

律儀に駐輪場に自転車を止める。
高校時代から乗っている私の愛車。
盗まれたら立ち直れないかも。

小さな駅。上りと下りの2つのホーム。
いつもだったら学校に行くための電車を待つはずの上りのホームを、
今私は下りのホームに立って見ている。

いつも起き抜けのひどい顔で、ぼーっと立っている
自分の姿が、面白いように浮かんでくる。
今日の私が行きたい場所は、学校とは反対側。
今立っているのは、下りのホーム。
同じ駅なのに、こんなに違う景色。

電車からは2駅。各駅停車しか止まらない駅。
中途半端な距離が好き。
この駅で降りる人は少ない。

駅を出たら西へ。
丘というにはちょっと高い、
長い上り坂が伸びている。

車の通りも少ない。
緑の芽が、少しだけ見え始めている景色を眺めながら、
なるべくゆっくり歩いてみる。

上り坂が終わると、そこは新興住宅地。
いちばん上まで行けば、小さな公園がある。
ベンチが2つ置いてあるだけの、小さな公園。
真ん中には、大きな桜の木。
いつ行っても、誰もいない。

その桜の木は、本当の春が来るのを、
じっと我慢して待っているように見える。

そこが、私の場所。私だけの場所。

ここから、いつもと変わらない、自分が住む街が見渡せる。
さっき降りた駅の周りには、住宅地が広がっている。
少し大きな駅と、少し大きなビルがあるのは、その隣。
私の通う大学のキャンパスはここからは見えない。
線路を挟んださらに向こうには、大きな川が流れている。
私の家から見える川と、同じ流れ。

好きだったアニメ映画、『みみをすませば』の
主人公、月島雫が見ていたのも、
こんな景色なのだろうか。

変わらない景色に満足し、いったん、公園を出る。

ここに来たときには、かならず立ち寄る小さな
パン屋で、クリームパンとペットボトルの紅茶を買って、
いつもの場所で食べようと思った。
さっき食べたばっかりだから、
あんまりお腹はすいてないけど。

いつ行っても、他にお客さんはいない。
心配になってしまう。
目的のクリームパンは、今日1日では絶対に
売り切れないほど、たくさんあった。
パン屋のおばさん、少しがんばりすぎ。

再び公園に戻る。

私の場所の、いつものベンチ。
さっきは誰もいなかったのに、
今は大学生風の男の子が座って、本を読んでいる。
男の子といっても、自分と同年代だろう。

この公園に、ベンチは2つ。
この丘から町並みを見渡せるように、2つ並んでいる。

空いているほうのベンチに座る。
本当は、今男の子が座っているベンチが
いつもの私の場所なんだけど、仕方がない。

暑いくらいの日差しだ。まぶしく感じる。少し汗ばんできた。
あわててあぶらとり紙を取り出し、顔に当てる。
帽子を忘れたことを少しだけ後悔。

紅茶を一口。
クリームパンは、今はもう食べる気がしない。
どうしてだろう。

なぜか、切りすぎた前髪が気になる。

読書中の男の子の横顔を、ちらっと見てみる。

思わず、にやけてしまった。
まさか、思春期の中学生じゃあるまいし・・・。

このままだと、吹き出しそうになってしまうので、
ベンチを立ち、走るようにその公園を後にした。

男の子が一瞬、こっちを見るそぶりをみせたけど、
私は目を合わせることができなかった。

自分がおかしくてしょうがなかった。
男の子がいたからって、何を期待してるのやら。

きっと、あの男の子も、あのベンチが、
自分の場所なんだろう。

なんだか少し残念な気分。
あの公園に来る人がいるなんて。
私だけの場所ではなくなっちゃったな。

でも自然と、足取りが軽くなっている。
いつのまにか、長い坂を下りきって、
駅に戻ってしまった。
なんか、あっという間の出来事みたい。

もうあの場所には行かないかも、と思った。

なぜかはわからない。
ベンチを取られたから?
男の子相手に、勝手に気まずい思いをしたから?

よくわからない。けど、別にそういう理由でもいい。
そういう理由でなくてもいい。

私が、その場所へ、行く必要がなくなったような
気がしたから。それだけだと思う。

腕時計を見た。
まだ午後1時。
1年前、そのとき付き合っていた人から、私の誕生日にって、もらった時計。
もらったその日の夜、けんかして別れた。
その時計を、ずっとしている。
そうか、もう別れて1年経つのか。
ちょうど、1年。

ちょうど?

あ、今日は・・・。

すっかり忘れていた。大事な日だ。

講義に出る気はないけど、
大学にでも行こうかな。

友達を呼んで、お祝いしてもらなくちゃ。

















自分の屁の音で、目がさめた。

今日も寝坊。
大学はとっくに始まっている。

徹夜で麻雀するもんじゃねぇな。
結局熱くなりすぎて大負けしたし、今日も大学休むか。

安アパートの、狭くて壊れかけのベランダに出てみた。
今日はとても暖かい。
留年はすぐそこだ。
2本、タバコを吸う。

顔を洗おうかと思ったけど、
面倒くさくて、何もしなかった。

朝の一服が気持ちよかった。

カップラーメンのお湯を入れる。
ふと、あの曲が聴きたくなった。

ゴミの巣窟と化している押入れの奥から、
CDを捜し出した。

ずっと使っていないラジカセの、埃を払わないと
電源ボタンの場所がわからない。

松平健の『マツケンサンバ2』が流れる。
兄貴が好きだったおかげで、自分も無理やり聴かされた。
このCDも、兄貴のもの。
どうせ忘れてるだろ・・・。

時計を見ると、10:30。

カップラーメンは、全部食べないと捨てられない。

CDが、『マツケンサンバ2』の演奏を終え、
静かな部屋に戻った。

ラーメンの汁の、最後の一口を飲もうとした瞬間。
突然、思った。



やりてぇな・・・。



ここ1年、服を買っていない。
仕方がないから、昨日と同じ服。
履きなれたトランクスと迷ったけど、たまには
洗濯してあるやつにしてみよう。
この陽気なら、靴下は要らない。

久しぶりに、あの場所に行こう。
俺だけの秘密の景色が見られる、俺の場所。
なるべく身元は知られたくないから、
携帯電話も置いていこう。

そう決めてしまうと、
駅までチャリで走る道のりも、いつもと
まったく違う道に見えてくるから不思議だ。

横着に駅前広場にチャリを止める。
2ヶ月前にかっぱらった俺の愛車。
盗まれたらまた盗めばいい。

小さな駅。上りと下りの2つのホーム。
いつもだったら雀荘に行くための電車を待つはずの上りのホームを、
今俺は下りのホームに立って見ている。

いつもミニスカートで無防備に立っている
女子高生の姿が、面白いように目に飛び込んでくる。
今日の俺が行きたい場所は、雀荘とは反対側。
今立っているのは、下りのホーム。
同じ駅なのに、こんなに違う女子高生のスカート。

電車からは2駅。各駅停車の駅。
中途半端だがチャリで来るのはかったるい。
この駅で降りる人は少ない。

駅を出たら西へ。
歩くにはちょっとダルい、
長い上り坂が伸びている。

車の通りも少ない。
タバコの吸いすぎですぐ息が上がるから、
なるべくゆっくり歩いてみる。

上り坂が終わると、そこは新興住宅地。
いちばん上まで行けば、小さな公園がある。
ベンチが2つ置いてあるだけの、小さな公園。
真ん中には、大きな桜の木。
いつ行っても、誰もいないからいい。

その桜の木は、俺が登って隣の女子大生専門マンションの
部屋を覗くためにある。

そこが、俺の場所。俺だけの場所。

ここから、いつもと変わらない、女子大生の私生活が見渡せる。
お気に入りの2階の部屋は、残念ながらカーテンが広がっていて見えない。
少し大きな人形と、少し大きなたんすがあるのは、その隣の部屋。
俺の覗く姿は木にうまいこと隠れて見えない。
一部屋挟んでさらに隣の部屋は、大きな乳のねえちゃんが住んでいる。
俺の部屋から見える向かいのマンションの人妻と、同じ大きさの乳。

好きだったギャグ、『ミニにタコ』の
元タレント、田代まさしが見ていたのも、
こんな景色なのだろうか。

変わらない女子大生の私生活に満足し、いったん、公園を出る。

ここに来たときには、かならず立ち寄る小さな
エロ本屋で、エロ雑誌を買って、
いつもの場所で読もうと思った。
徹夜で麻雀した次の日だから、
あんまり性欲はないけど。

いつ行っても、他に客はいない。
そこがいい。
目的のエロ雑誌は、明日が発売日だから他では絶対に
手に入らない。
本屋の親父、エロすぎ。

再び公園に戻る。

俺の場所の、いつものベンチ。
誰もいなかったので、
今は俺が座って、エロ雑誌を読んでいる。
そこへ女の子がやって来た。女の子といっても、自分と同年代だろう。

この公園に、ベンチは2つ。
この丘から町並みを見渡せるように、2つ並んでいる。

女の子は空いているほうのベンチに座る。
本当は、今女の子が座ったベンチに行って
声を掛けたいんだけど、仕方がない。

中の上くらいの顔だ。まあまあ俺の好みだと感じる。少しよだれが出てきた。
あわててエロ雑誌を隠して、文庫本を取り出し、文学青年のふり。
隠し撮り用のデジカメを忘れたことを少しだけ後悔。

横目で盗み見る。
今はもうエロ雑誌を読む気はしない。
やはりリアルが一番だろう。

なぜか、洗っていない自分の顔が気になる。

俺の横顔を、ちらっと見てきた。

思わず、にやけてしまった。
まさか、俺に気があるのか・・・。

このままなら、声を掛けてもOKかも、と思ったが、
女の子はベンチを立ち、走るようにその公園を後にした。

俺が一瞬、女の子を見るそぶりをみせたけど、
女の子は目を合わせてこなかった。

自分がおかしくてしょうがなかった。
女の子がいたからって、何を最後まで期待してるのやら。

きっと、あの女の子は、俺に声を掛けたかったけど
恥ずかしくて逃げてしまったんだろう。

なんだかもの凄く残念な気分だ。
あの公園に来る人がいるなんて。
安心して覗きができなくなってしまったな。

自然と、足取りが重くなっている。
いつのまにか、長い坂を下りきって、
駅に戻ってしまった。
なんか、もったいないことをしたみたい。

もうあの場所には行けないかも、と思った。

なぜかというと、
今後あの公園で覗きをしているところを、
今の女に見られたら通報されてしまうからだ。

今日は木の上で覗きをしているところを
見られたのでなくて、本当に良かった。

けど、別にそれでもいい。
他の覗きスポットを探すまでだ。

腕時計を見た。
まだ午後1時。
1年前、そのとき気に入らなかった奴から、借金のカタにうばった時計。
その日の夜、けんかに勝って借金もきっちり返済してもらった。
その時計を、ずっとしている。
そうか、もうあれから1年経つのか。
ちょうど、1年。

ちょうど?

あ、今日は・・・。

すっかり忘れていた。新装開店だ。

講義に出る気はないけど、
大学にでも行こうかな。

友達を呼んで、パチンコの資金を調達しなくちゃ。
comments(1)
It’s appropriate time to make some plans for the long run and it’s time to be happy. I have learn this put up and if I may just I want to recommend you some interesting things or tips. Perhaps you could write subsequent articles relating to this article. I wish to read more issues about it!
| Ava | 2014/07/07 5:04 AM |










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