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2014/11/8 更新してないねぇー ねたはあるんだけどね
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山登り
前日までは幸せだった。

いよいよ明日は彼女たちと山へ登る。気合いを入れるぜ!
そんでもってうっかり遭難してやるニョロ!!
何処で遭難するか、どのように山小屋へ辿り着くか、辿り着いたあとどうするか、など等考えることは文字通り山のよう。でもやるぜ!僕の一世一代の大仕事!
さあてとまずは・・・

・・・
色々と、妄想に浸っていた。しかし、実際は、想像とはかけ離れていた。

最初は楽しかった、山登りもだんだんつらくなってきた。よく景色を楽しんでうんたらかんたらとか言うけど、あれは嘘。歩く事に夢中で景色なんかにかまっちゃいられない。

ふと、隣の奴を見てみると、後ろ向きで登っている。彼曰く、その方が楽に感じるだそうだ。どれどれ・・。・・・楽になったような
気がする。・・・・・・・・・気がしただけだった。変な事をしたおかげで、余計に疲れてしまった。くそ。世の中嘘だらけじゃないか。

・・・
それは夏の楽しいはずの山登りであった。
彼女は結構山登りが好きらしくめずらしく彼女のほうから僕を誘ってきた。彼女は普段の話から、
「紅葉がいいんだよね。心にいい効用だし。」
「登山してると知らない人にも声かけられるでしょ?人のつながりが希薄な都会暮らしだとそうゆうのがいいのよね。」
などと行ってきていた。それらの話を聞いて僕は「彼女はワンダーフォーゲルが好きなんだなあ」と勝手に思っていた。

しかし、彼女の言う「山登り」とはワンダーフォーゲルどころの騒ぎではなく、なんとロッククライムであった。
当日、駅で待ち合わせていたとき僕は、いつもと同じく待ち合わせの10分前に到着していた。
持ち物は山登りをしやすそうな軽装の装備だった。

彼女が10分後時間通りにやってきた。
その時僕はギョッとした。
彼女の装備はなんとハーケンをもっていたりハンマーを持っていたのだ・・・。

・・・
地獄が始まった。
人っ子一人いない断崖絶壁を彼女はへらへらと笑いながら上っていく僕も最初のうちは良かったが、俺はロッククライムなんてしたことはなく、しかも、高所恐怖症なので下をみたら高くてビビッテいた。

上から岩石が落ちてくる。彼女はひょいとよける。
僕は「うわー!」といいながら身をすくめる。
なんとか岩石には当たらない。
しかし岩石のほうを見るとあんなに大きな岩石が豆のように小さくなっていき、やがて地面にぶつかり粉々に砕けた。
さらに僕は恐怖を募らせる。
「もうだめだ〜・・・」そう思った瞬間、
空から・・・・!!

・・・!!
予定外の猛吹雪だった。
もう僕が力尽きるのも時間の問題だった。

「ああ…もう…ねむく…なってきたよ…」
「しっかりしろ!もうすぐ助けが来るから!寝るんじゃない!」

友は懸命に励ましてくれていたが、その声も段々聞きづらくなっていくようだ。
吹雪は勢いを増すばかりだ。このままでは友も危ない。

「お前だけでも…避難するんだ…このままじゃあ…」
「ばかやろう!お前だけを置いていけるか!しっかりするんだ!」

俺はなんていい友を持ったんだろう。
だが僕はもうあきらめていた。もう寒ささえ感じない。
むしろ気持ちがいい感じさえする。眠い…。
これも運の尽きというやつだろう。
だが…俺には一つだけ…。

「俺な…ひとつだけ…やり残したことが…あるんだ…」
もうだめだ、と友も感じたのだろうか。彼はもう何も言わなかった。
「リポビタンの親指フタ開け…ついに成功しなかった……これだけが……」
口が動かない。目も見えない。これが…死か。さらば、友よ。

「眠るな!眠るなァーーーーーーッッッ!!!」

・・・!!!
その後、
途中にある休憩所で一休みしていると、カズミと名乗る老人が話しかけてきた。
「この山を越えると春の国じゃ。だが道中はけわしい。お若いの、無理はしなさるなよ。」
彼女が思いをつめて話す。
「やっとあなたの故郷が見られるのね・・・どんなにつらくても、私は平気です。さあ、行きましょう!」
ありがとう、愛しい君よ。
やっぱり君を選んで正解だった、と僕は思った。
みんなの顔を見渡す。
ロッククライミングの彼女。
後ろ向き歩きの友人、雪山で励ましてくれた友。
「おーい〜山登りなんかやめてよー。他の旅人達とここで麻雀やろーぜ。新しい必殺技も考えたんだからさ〜。」といって動かない。
友人と彼女がタバコを吸いながら雀卓を囲んでいる姿は一種異常な光景だった。

・・・
と、なんだかんだ言って山頂にたどり着いた。
彼女はおんぶに抱っこで、もはや歩けない。
俺はもう歩く必要が無いので、彼女を下ろした。

「つ、ついたの?」

彼女は口走った。
自分で山登りに行こうと言い出したくせに、まさか3合目でばてるとは思わなかった。

疲れ果てた俺がふとしゃがみこんだ時のことだった。
座るために折れ曲がった膝が彼女にぶつかった。
その時彼女が転がるように山肌を落ちていった。

俺はしまったと思い走って追いかけた。
彼女はまるでボールのように転がり落ちている。
転がりつづけた彼女が大きな岩にぶつかって止まった。
彼女はまるで肉団子状態である。

「おい・・・!大丈夫か!?」

僕があわてて駆け寄る。
友人たちもやって来る。

・・・
結局、あの山へ登って生き延びたのは、
この僕だけだった。

今、僕は網走の獄中で、この手記を書いている。
comments(1)
The more often I visit this blog the more I’m amazed how it is made
| Riley | 2014/01/22 6:35 AM |










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