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2014/11/8 更新してないねぇー ねたはあるんだけどね
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割り箸でエビフライが手に入るか
本日、大変な事件が発生したのでここに書き留めておきます。

会社での出来事。

昼食時になると、後輩が弁当を買ってきてくれます。
近所には弁当屋が多いのですが、どの店もあまりおいしくないのです。
その中で比較的ましなMという弁当屋を、普段私たち社員は利用しています。
ここの弁当は、エビフライが絶品なのです。

後輩がMから戻り、社員に弁当を配ってお金を徴収します。
私も弁当を受け取り、代金を払いました。

そして席につき、さあ食べようと弁当のふたを開け、割り箸を手に取りました。

しかし、様子がおかしい。
割り箸を見ると、すでに割られているのです。
正確に言うと、使用済みの割り箸だったのです。

何の因果かそれとも業か。
神はなぜ私にこのような罰をお与えになられたのでしょう。
見知らぬ人の使用済みの割り箸で弁当を、なぜ私は今ここでこうして食べなければならないのでしょう。

ほかの社員や後輩たちも、皆すでに弁当を食べ始めています。
中には食べ終わっている人もいます。
・・・どうやら割り箸に問題が発生しているのは自分だけのようです。

しかし、後輩に文句を言うのは筋違い。かといって弁当屋に乗り込むのも、気が弱い私にはできないことです。

私は貧乏くじを引いてしまう自分の運の悪さを心の底から恨みつつ、表向きは平静を装って、こんなときのためにストックしてある
新品の割り箸を使って、無事弁当を食べ終えることができました。

弁当を食べ終わり、一服。

ふつうの人間であれば、弁当屋に怒鳴り込んで弁当代をただにしてもらったりエビフライをもう1個サービスしてもらったりするのだろうかと考えました。

それとも、もう二度とあそこの弁当屋の弁当なんか食わないとか
決意するのだろうかと考えました。

まあ、当然怒るべき状況でしょう。

ウチの社員ならどういう行動をとるのか気になったので、聞いてみることにしました。
ここで初めて、今回の出来事をほかの社員に話しました。

後輩Aに訊いてみたところ、
「僕だったら、怒鳴り込みますね。放火も辞さない構えで」と言うし、
先輩Bなどは、「怒鳴り込んで、店にある割り箸全部割ってやる」とか言っていました。
どうやら血気に逸る人が多いようで、あまり参考になりません。

しかしそうして社員と話していくうちに、やはり弁当屋のミスなのだから、抗議に行った方がいいのではと言う意見が多く出てきました。
わたしもなんだか今頃になって腹が立ってきたので、弁当屋に赴くことに決めました。
よくよく考えれば、使用済みの割り箸を弁当につけてよこすなんて前代未聞、下手をすれば営業停止クラスの大失敗です。
エビフライの一個や二個、うまくいけば翌日の弁当をただにしてもらうくらいのことはできるかもしれません。
私は社員たちにうまくけしかけられ、俄然やる気になったのです。

しかし、私は大人です。社会人です。
紳士的な対応を心がけることを忘れないようにしなければなりません。

意を決して、弁当屋のドアをあけました。


「いらっしゃいませ」
「あのう」
「はい。今日のおすすめは、一口ヒレかつ&照り焼きハンバーグ弁当だよ」
「いえ。そうじゃなくて」
「大人気のエビフライ弁当はあと2個だけですよ」
「いえ、注文をしに来たのではありません」
「お客さん、おかしいことを言いますね。うちには大根や白菜は置いてないですよ」
「別に野菜を買いに来たわけでもないです。抗議に来たんです」
「抗議?ウチが何か?ゴミの不法投棄なんてしてませんよ」
「違います。この割り箸をみてください。これに覚えはないですか」
「その割り箸が凶器ですか?」
「は?凶器?」
「あのう、警察ごっこをしてるほどウチは暇じゃないんですよ。
少し乗ってあげたけど」
「ちがいますよ。私が買った弁当にこの割り箸がついてたんですよ。使用済みのね」
「ああすいません。じゃあ新品の割り箸と交換しましょう」
「それだけですか」
「は?」
「なんのお詫びもないんですか」
「いやだからすいませんねえって」
「使用済みの割り箸をよこしたんですよ。すいませんの一言で許される問題じゃあない」
「じゃあもう1個サービスしますよ。割り箸を。ほらもってけドロボー」
「割り箸をサービスしたってしょうがないだろう」
「じゃあ何ですか。エビフライを1個サービスしましょうか。仕方ないなあ」
「そんな卑しい者を見るような目で私を見るな。私が乞食みたいじゃないか」
「だって、あんた割り箸にかこつけてエビフライせしめようっていうんでしょ」
「そうじゃない。誠意を見せろと言ってるんだ」
「だからエビフライをサービスするといってるでしょう。もちろん割り箸も新品を
つけますから安心してくださいよ」
「その投げやりな態度が気に入らないんだ。別にエビフライほしさに抗議に来た訳じゃない」
「じゃあタクアンでいいですか。いやあ助かった。安上がりで」
「下手したら営業停止モンの大失敗をあんたは犯したんだぞ。
タクアンごときで解決すると思うのか」
「ウチが営業停止になったら困るのはおたくじゃないんですか?」
「何を言ってるんだ」
「他の弁当屋の弁当はろくなのがないし、味も最悪だ。
この辺でうまい弁当を作るのはウチだけだ。ウチがつぶれてもいいんですかい」
「逆に私を脅迫しようというのか」
「脅迫してるのはそっちでしょうが」
「私は屈しないぞ。こんな弁当屋がつぶれたって、別に昼飯には困らない」
「そんなこと言って後悔しないですか?エビフライが手に入りませんよ」
「エビフライなんぞいくらでも食える」
「ああそう。じゃあ何もいらないんですね」
「おい。別にエビフライに未練はないが、誠意を見せろと言ってるんだ」
「誠意ってなんだい。カニクリームコロッケのことかい。
それなら一個サービスしてもいいけど」
「だからなんでそうやって手軽に済まそうとするんだ」
「だからどうして欲しいのか聞いてるんだよこっちは」
「誠意を見せろと再三言ってるじゃないか」
「わかったよ。特製スペシャル弁当をサービスするから。これでいいだろ」
「もう私は弁当を食べた後だ。腹一杯だ。食えるわけがないだろう」
「じゃあしょうがないね。ほらウチは忙しいんだ。帰ってくんな」
「おい。なんでそうなるんだ。弁当屋の分際でいい気になるな」
「つまるところあんたの言う誠意って、モノでしょう」
「別にモノじゃなくてもいい。心からすまなかったという気持ちを見せろ」
「本当にすいませんでした。もうしません。許してください」
「よ、よし。わかればいいんだ」
「心を入れ換えて、どの弁当も全部新品の割り箸をつけるようにします」
「当たり前だ。それでいいんだ」
「許していただいて、ありがとうございます」
「お、おう。・・・じゃあ、また明日もうまい弁当を頼むよ」
「はい。毎度!」

こうして結局エビフライをもらい損ねてしまった。
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